いえ、まったくの素人。ゼロからのスタートでしたが、仕事を覚えるうち興味が増していって現在に至ります。私を紹介してくれた人はやがて定年退職されましたが、この仕事に就くきっかけを与えてくれた恩人ですから、辛いことがあっても辞めずにやり遂げようと、今日までやってきました。

素敵なご縁があったんですね。私の場合は、仕事と家庭を両立できる会社という条件で転職を考え、３年前に当社に…。面接時、社員の皆さんが声をかけてくれ、雰囲気が良かったのも決め手になりました。

ええ。以前、タイ航空のポスターを印刷した際、お客様から「タイの空の色じゃない」と言われ、擦り直したことがありました。「タイ、行ったことないからわからん～」と思いましたけど、お客様が満足するところまでもっていくのが私の役目ですから、苦心して仕上げました。印刷工程だけで解決できない時は、製版やデザインの担当者に相談して再調整することもありますよ。

印刷物ってチームワークの賜物だと思います。私は今、営業スタッフをサポートする事務職なのですが、彼らが働きやすい環境を整えることを第一にしています。あとは感謝の気持ちを言葉で伝えることかな。

自分が印刷したポスターやパンフレットを街なかで見た時は素直に嬉しいです。あと、特殊印刷など複雑な仕事をこなすうち、経験や勘となって次の印刷技術に生かせるようになっていくのも楽しいですね。

たくさんありますよ（笑）。昔、高級志向の雑誌を印刷したことがあり、７０００部を納品後「イメージと違う」と言われ、全部擦り直しに…。夜遅くまで残業になり、同僚と２人で「辛いね～、飲みに行くか」とボヤいていました。

仕事では、富山の観光地のポスターを手がけたいですね。ダイナミックな自然とか、多くの観光客を誘致できるようなポスターを印刷したいです。プライベートでは料理にはまっています。材料やスパイスにもこだわって週末、家族にふるまっています。煮込みハンバーグなんか、よく作りますよ。

本格的ですね！では次の質問ですが、仕事上、これだけは譲れない事ってありますか？

機械のメンテナンスにはこだわっているかな。長年、やっているので、調子が悪くなった時、「原因はここだろうな？」っていうのはわかります。ある程度は一人で修繕できますので、周りからは重宝がられていますね。渋谷さんは？

う～ん、関西弁かな。私は奈良出身で結婚して富山に来て、富山弁の練習をしたのですが、上手にはしゃべれない。じゃあ、関西弁のままでいいかなって思って、普通にしゃべっています。

いろんな人がいて、人材の宝庫だと思いますよ。もっとコミュニケーションをとって、若手とベテラン、また部署を越えた交流を深めていきたいですね。

たしかに社員はみんな個性豊かですね。私は今、新人研修を担当しているのですが、周りのみんなのサポートも手厚いですね。協力体制ができていると思います。ではもし、山口さんが新人を迎えるとしたら、どんな人がいいですか？どんなふうに成長してもらいたいですか？

まずは、一つひとつの仕事に面白味を見つけてもらいたいですね。印刷業は今、いろんな面で自動化が進んでいますが、肝心な部分は手作業に頼るところが大きい。感性や技術を磨き、「印刷人」としての職人魂を大切にしながら成長していってほしいですね。

若い部下が５人くらいいて、みんなから慕われる存在になっていたいですね。若手への技術の継承に力を注いでいきたいです。渋谷さんは？

そうですね。仕事全体をしっかり把握して、営業スタッフにビシバシ指示出しできるようになっていたいですね～。今は、控えめにしていますけど…（笑）